日頃からカトリック新聞をご愛読いただいている皆様には、心より感謝申し上げます。1923年1月1日に、カトリック新聞の前身である「公教青年時報」が創刊されて、昨年2023年で、カトリック新聞は創刊100周年を迎えました。
カトリック新聞は、日本のカトリック教会にとって唯一の機関紙であり、教皇様の動向をはじめ国内外の教会に関わるさまざまな情報を伝えるメディアとして、これまで重要な役割を果たしてきたと自負しております。
これまでの100年間、途中戦争の時代も経て、多くの困難に遭遇しながら新聞発行を続けることができたのは、教会に関わるさまざまな出来事に興味を持ち、新聞をご愛読くださった皆様のおかげです。
このたびは、ご愛読いただいている皆様に、お知らせしなければならないことがあります。大変申し訳ありませんが、以下にご説明申し上げる諸事情から、現在の週刊でのカトリック新聞は、2025年3月30日付(4761号)をもって休刊致します。
カトリック新聞は、ご愛読いただいている皆様の定期購読料と、多くの方々の広告掲載に伴う収入で運営を支えてくることができました。しかし近年、定期購読者数が減少し、経営的には厳しい状況が続いておりました。
また21世紀に入ってからのほぼ四半世紀、報道メディアは大きな変動の時代を迎え、インターネットが報道の主役となりつつあります。もちろん私たち司教団も、印刷された情報は手元に置いて、繰り返し立ち返りながら理解を深める手段であって、同時に新聞は、投稿欄などを通じて、一般読者が社会に向けて意見を述べる重要なコミュニケーション手段であることを理解しております。
しかし同時に、現在の新聞事業の経営状況と、インターネットの普及のスピードを考え合わせたとき、日本のカトリック教会の情報発信をどのようにするべきか、数年前からそのあるべき姿について検討を重ねて参りました。
その結果、数年後を見据えて、現在、カトリック新聞、広報、出版と独立しているカトリック中央協議会における情報発信の部門を統合し、新たな形での情報発信の姿を確立するために、具体的な作業に入ることを決定致しました。
それに伴い、カトリック新聞は、現在の形、すなわち毎週1度発行する(週刊)紙媒体(現在の新聞)を休止し、インターネットでの発信へと転換することに致します。ただし、インターネットへのアクセス(つながること)が難しい方もおられますので、いわゆる「新聞」という紙媒体での発行も、毎月1度の形で継続致します。なおこの月に1度発行する「新聞」は、無料広報誌とし、各小教区や修道院、教会関係施設に配布するなどの方法でお届け致します。その編集方針などは今後の検討課題ですが、詳細で速報的なニュースはインターネットで、教会全体の流れは紙媒体でという棲すみ分けになろうかと思います。
これまで愛読し支えてくださった多くの皆様のご期待を裏切る形となり、大変申し訳ありません。日本の教会としての情報発信は、これまで以上に細やかに取り組んで参ります。どうか皆様のご理解をお願い申し上げます。
(2024年3月3日付 第4709号 1面より) |